親父の思い出

ビール話だ。ここに書いてもいいだろう。割と若くして逝った親父の年齢をいくつか超えてしまった今、時々フラッシュバックのように思い出す幾つかの場面の一つに、冷蔵庫の冷凍室に入れっぱなしになって凍って破裂してしまったビール瓶というのがある。

実家は自営のためもうすぐ終わるから急冷しておこうと思って放り込んだビール瓶を結局仕事が終わらなくてそのまま忘れてしまうことが間々あったんだろう。子供の頃のわたしには、その間の事情も判らず、また破裂してるよ。と半ば呆れて見ているだけだったが。

自営していると言っても後年に至るまでは決して楽な生活向きじゃあなかったはずで、ビール1本とは言え惜しかったはず。なんて事をつらつら考えていると切なくなってくる。